kの備忘録

備忘録的な何かです

割れた唇を治療する

COVID-19の影響で年がら年中マスクを着用するようになったせいでしょうか、人生でそう何度も体験したことがなかった症状が発現しました。
それが、唇がパックリと割れる現象です。

今までは仕事上で劇薬を扱うようなポジションにいた時以外は特に手も荒れたことはないし唇も割れたことはなかったんですが…
昨年からの一連の疫病対策で頻繁に手をアルコール消毒するようになった影響で手は荒れ放題で、前述の仕事環境以外で初めてハンドクリームを常備する羽目になりました。
唇もほぼ間違いなくマスクの強制装着による環境変化に由来するものでしょう。

割れた唇は熱いもの冷たいもの個体液体一切問わず口にするもの全てに反応し、辛いものなど口にしようものなら…のた打ち回るほど痛みます。
さすがに我慢できないので、少しでも早く傷口を塞ぐためにこんなものを用意してみました。

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知る人ぞ知る新世代絆創膏「ケアリーヴ」の高いほうです。

この製品、安いほうは普通の絆創膏なんですが、高いほうの製品はハイドロコロイドを使って「人工かさぶた」を形成するという、最近登場した新しい治療法を採用しています。
人工的にかさぶた状態を作り上げることで自己修復を助けるこの絆創膏を、場所的にかさぶたが出来にくい唇の治療に使用してみました。

まず購入するのは前述の写真の通り防水タイプの「スポット用」という超小型サイズのものをチョイス。もちろん高いほうです。
これをさらにフィルム部分を最小限になるまでカット。

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こんな感じにしたら下準備は完了。
ゆっくり風呂に入って、唇全体が水分を得て柔らかくなった状態にしてから割れた箇所にカット済みの絆創膏をペタリ。
この時、多少痛くても割れた患部を意図的に広げて、露出した肉の部分に絆創膏の薬剤が直接接触するように貼り付けるのがポイントです。
そのままひと晩貼ったまま寝てみてください。
早い人なら翌朝剥がした時にはもう薄皮が出来上がっています。
私の場合はひと晩で薄皮、ふた晩経つと完全に痛みが消えました。
場所が場所なので何度も剥がれてしまうんですが、根気よく貼り直し続けしょう。
一度塞がってしまえば、あとはお馴染みリップクリームでのケアが可能になります。

もちろん個人差はあるでしょうが、私はこの方法で痛みから開放されました。
同じように悩んでいる方がいらっしゃったら、一度この方法を試してみてもいいかもしれませんね。

冬もマスクに悩まされた件まとめ

随分と間が空きました。

今までの試行錯誤で猛暑もなんとか乗り切り、今度は冬季の流行性感冒を予防するためのマスク着用が重要視される時期になりました。
世界規模で多くの死者を出しているCOVID-19も日本では幸いにして極端に死者が少なく、非常事態宣言が再発令されるに至っても今なおインフルエンザ以下の脅威度でしか推移しておりません。

それでもマスク着用はマナー・エチケット扱いされ半ば義務的なものとして定着し、1年前には考えられなかった光景…見渡す限り顔を隠した人の群ればかりという状況となってしまったことは半ば滑稽でもあり、恐ろしくも感じます。
そもそもコロナでの死者が極端に少ない日本ではニュージーランド方式が正解で政府もマスコミも間違いまくりだとか、治験も無しで国民にワクチン射たせて二次災害を誘発しようとしてるのがあたおかだとか、そういうのはもうどうでもいい段階まで来ちゃいましたし目の前の自己防衛のことだけを考えるとしましょう。

 

それはさておき、暑さに苦しめられた夏が過ぎ些かなりと鬱陶しさが軽減されたと思ったところで、暑さと無関係にマスクが苦手な理由のひとつに辿り着きました。
夏場はとにかく暑さ対策に気を取られて気付けませんでしたが、息を吸い込んだ際にマスク表面が鼻腔を塞いでしまうことで息苦しさを著しく助長していたことに着目しました。
これが解決すれば大きな改善が見込めるので、今まで以上に鼻腔とマスクが接触しないよう物理的に空間を確保する工夫が必要です。
そして新たな試行錯誤が始まりました。

今回は何度も失敗した部分は全て割愛し、最終的に辿り着いた部分だけを書き残しておきます。
世間では二重マスクなんていう結果的にウイルス防護能力を損ねるような本末転倒な方法が伝播しておりますが、その流れには乗らず夏に試した方法の延長線でトライ&エラーを繰り返しました。

材料は不織布マスクと、夏にもお世話になったマスク用取替シートです。

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マスクについては、ネットや口コミで評判の良かった柔らかいマスクを使ってみましたが、これが逆に私を苦しませました。
マスク本体が柔らかければ柔らかいほど呼吸で変形して鼻腔を塞いじゃうんです。柔らかさが仇となって余計に呼吸が苦しくなってしまったという失敗談を経て、こういう工夫をしてみました。

接着する前の取替シートを二つ折りにしてから表面を熱したアイロンで軽く素早くサッと撫でつけると…

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このようにシートに若干の硬さが生まれ、折り目がついたまま形状を維持できるようになりました。
そして同じく鼻の当たる部分で二つ折りにしたマスクと重ねて折り目をしっかり合わせてから、夏の時と同様、シートの縁部分をアイロンで熱接着してやります。シートが外れなければOKなので、ノーズワイヤーと重なる部分のみ集中してアイロンがけをしてピッタリとくっつけます。

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これで完成。今回はシートの分割も行わずアイロンがけも最小限にして手間を減らしたので、作業時間も大幅に短縮しサクサクと量産できました。

夏場に工夫した時はシート自身の柔らさが呼吸阻害の一因だったのですが、マスクの内側に接着する前にシートを少し硬くするというひと手間のおかげでマスク内の空間が保持され、呼吸によって鼻腔が塞がれることが無くなりました。

実際着用してみて、この方式が今のところ一番呼吸がしやすいものとなっています。
もちろんマスク本来の息苦しさは当然ありますが、一体化加工してあるためズレず外れずマスクとしての機能を一切損ねずに息苦しさの軽減に成功できたのは一定の成果ではないかと思っています。


最近問題視されている鼻マスクや布マスクにウレタンマスク、二重マスク等のファッションチックな手段は被害の少ない日本だからこそ見過ごされているだけで、海外に赴くビジネスマンにとっては死活問題ともなりえるものです。
今後もどのように推移するのかまったく見通せない状況ではありますが、日々油断なく過ごして行きたいものですね。

 

※おまけ
理髪店でカットしてもらった際に盲点に気が付きました。

 

そう、鼻毛です。
呼吸のたびに感じる不快感のひとつが、この鼻毛だったんです。
試しに鼻毛カッターで鼻腔入口付近の鼻毛を丁寧に切り揃えてやると…それだけで鼻の不快感が軽減しました。大発見した気分になりましたねw

COVID-19にマスクは効果なしとも囁かれていますが、もはやマナーと化してしまった昨今、これでもう少しだけ不快感を減じた形でマスクと付き合っていけそうです。

早くマスクしなくてもいい状態になることを祈りつつ、今回はこれまで。

【再挑戦】 夏場のマスクの鬱陶しさに挑む

例によって某サイトに投稿したものを再編集して掲載した記事になります。

暑いですね。
何度もマスク改造に挑んできましたが、今まで作ったものを装着していても気温と湿度の上昇に耐えられず不快度が拭い去れなくなってきました。
元々マスクが苦手な私にはマスク義務化状態で迎えた夏は地獄でしかありません。
今回も試行錯誤という名の迷走を繰り返しておりますが、一応の成果を得ましたので掲載したいと思います。
 
まず、私が行うマスク改造のコンセプトを列挙しておきます。

①:不織布製の使い捨てマスクをベースにすること
②:マスクの能力を損なうことなく鼻先・口元の不快感軽減を目指すこと
③:きちんと使い捨てが出来る状態を維持した改造を行うこと

上記3点を意識しつつ試行錯誤を行っております。
つまり…

 

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巷で何故かメジャーになってしまったこいつらは①に従い全て対象外。布マスク・シリコンマスク等洗って使えるマスクは全部アウトです。
マスクが市場から消えてしまった時期ならまだしも、不織布マスクが潤沢に市場に流通し店頭在庫が回復した今こいつらを使用してるなんて論外です。
だってこいつら飛沫は防げてもウイルスそのものへの防御能力は皆無じゃないですか。
なんで皆おチャイナ製の量産マスクよりも防御能力が無いザルマスクを好んでつけているのか…理解に苦しみます。
もちろん試行錯誤する中で何点か購入して試してはみましたが…言うほど快適じゃないんですよ実際。
これなら鬱陶しくても不織布マスクを使うわってぐらいの差しかありません。

まぁ、試した中でも敢えて取り上げるなら、こいつでしょうか。

 

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涼感もそこそこありますが、注目したのは…

 

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内側に保冷剤を入れられることですかね。それぐらいです。
結構高かったんですが、値段に見合うだけの期待には応えてくれませんでした。

 

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また、こういうサバゲー用などで検索すると出てくるインナーマスクなども試してみましたが、露骨にマスクからはみ出る大きさだったり、内部空間を広く取り過ぎてマスクが浮いてしまうため、②に抵触してNG。
BB弾は防げてもウイルスが防げなければ意味がありません。

そうこうしてる中、こんなものを見つけました。

 

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「使い捨てマスクの寿命を延ばす 取り替えシート」なるもの。
半信半疑で使ってみると、これがまた…予想外にイイんですよ。
エアリズムを内張りしたマスクよりもかなり…不快感が軽減されるんです。
「マスク捨てないで!」とか書かれてますが、長持ちさせる目的で使うわけじゃありませんのでマスク共々一発使い捨てにしてやりますよ。

というわけで、工作ターイム!

 

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シート自体はマスクに対して縦幅が足らないので、マスク1枚につきシート1.5枚を消費します。
素材のせいか小さなハサミだとモタつきますが、気にせず真っ二つに。

 

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そしていつものようにシーラーで外縁部を熱着していきます。

 

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マスク上部に1枚ものを、下のヘリ部分に半分にしたシートをそれぞれあてがってくっつけていきます。

 

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途中で鬱陶しくなったので、180℃以上に加熱したアイロンを押し付けて一気に時短!
ただしこのシート、アイロンの加熱部に溶けて貼りついてしまうので取り扱いには注意が必要です。

仕上がりはこんな感じ。

 

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シート同士を接着していないのは、マスクを広げる時の障害になってしまうのを防ぐためです。
試しにマスクを手で開いてみると…

 

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ちょうど口元に隙間ができて、いい感じになります。

 

実際に使用した感触としては、マスク自体の息苦しさはそのままに随分と不快さは軽減されました。
(息苦しさはマスクとしての機能が正常である証拠なので、息苦しくなければいけません)
マスク内の湿気についても、シートとマスクの間に出来た空間のおかげなのか不快な感触が軽減されて結構楽になりました。

ちなみに、マスクとシートの接着は多少甘くても構いません。
がっちり付けたつもりでも使用してると次第に外れてきますし、完全に外れた時が捨て時だと思えばいいでしょう。

ことマスクに関しては使い捨ての精神で。
もったいないオバケを出して感染したら元も子もありませんからね。
油断なく備えたいものです。

冷感肌着を搭載してマスクの暑さを軽減してみる

急激に暑さが増した上に梅雨による湿気が追討ちをかけてきた昨今、マスク着用による熱中症が心配されるようになりましたね。
以前試した保冷剤搭載マスクでも長時間となると対処は困難、更なる試行錯誤が必要だと感じました。

そんな中、ユニクロがエアリズムマスクなるものを発売、かなりよく売れているようですね。
そこで…人気商品を買うことなく、普段から愛用している冷感肌着を使って新たな暑さ対策マスクに挑戦してみました。
例によって大半の材料は100均で揃えてきました。

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キモは当然、冷感肌着。こればかりは100均には売っていません。
今回はユニクロのエアリズム(メッシュタイプ)シャツを1着イケニエに捧げました。

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シャツをマスクの大きさ×2倍に切り、二つに折る

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ふちをすそ上げテープでアイロン接着
その後マジックテープのトゲトゲしたほうを左右に添えてアイロン接着

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出来上がったものをマスクの内側にくっつければ完成です 

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ポケット型になっているので、例によって保冷剤も搭載可能

ただこれ…マスク内が蒸れてくると肌着の素材が柔らかくなり鼻の穴を塞いでしまうという現象が発生!
これを解消すべく新たな材料を見繕ってきました。
これです。

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靴ズレ対策用のシリコンパッドです

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こいつを切ってポケットの内側にくっつけます(画像は裏返した状態です)
…ちなみに何度も試験を繰り返したせいでアイロン接着が剥がれたので、拙いながらも手縫いしたものを使用しています。また同じく試行錯誤を繰り返したせいで若干汚れていますがご容赦ください。

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今度こそ出来上がりました!
装着時の暑さと息苦しさを軽減、冷感素材が誤って鼻を塞ぐことも…今のところありません
エアリズムマスクは不織布マスクほどのウイルス遮断効果は無いと思われますが、使い捨ての不織布マスクの内側に装着するコレなら今までと同じだけの感染防止効果も期待できます。

梅雨が明ければ夏本番…まだまだ暑さ対策は模索していこうと思っています。

保冷剤搭載型マスクを自作してみる

今回も例によって某サイトに投稿した内容を再編集したものになります。


6月に入り、早速気温が30度近くを記録する地域が出始めていますね。
そうでなくてもマスクをつけると汗だくになってしまい非常に不快な思いをするのに…そんな私と同じく暑さが苦手な方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。
これにいち早く目をつけた方が保冷剤を仕込んだマスクを販売しておられますが…もちろんコレ…やれますよね? 自作。

というわけで、今回も自作にチャレンジしてみましょう。
 
基本的な材料はこちら。

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未使用のマスクを複数、単3電池を入れて使用するシーラーという道具、そして保冷剤です。
シーラーが手に入らなければ、ご家庭にあるアイロンでも構いません。

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出張などに持っていくコンパクトアイロンなどがあれば小型で軽いので使いやすいかと思いますが、シーラーとは勝手が違うため別途コツが必要になるかもしれません。

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保冷剤は、ペットボトルに巻いて使うタイプや首に巻くタオルに仕込むような、いわゆる小さく小分け出来るタイプのものをご用意ください。
大きすぎるとマスクに入りきらず重さでズリ落ちたりして大変なので、ショップで実際に見て手頃なものを探してみてください。
ガッチリ固まるタイプのものは使い難いので、完全には固まらないジェルタイプの保冷剤がオススメです。

具体的な作り方は以下の通りです。
 
まずは保冷剤を1個単位に切り分けていきます。

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この際、切り口から保冷材の液が少し出てくる場合がありますが、これは保冷剤の製造工程で中途半端な場所に液が残ったままになっている場合に発生しますので、ふき取ってそれ以上液漏れがなければ問題ありません。

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切り分けて尖った角部分を処理したら冷凍庫に入れて冷やしておきましょう。

次にマスクを1枚分解します。

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左右を切り落とし、鼻にかかる部分に入っている針金っぽいものを抜き取ります。

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折り目を伸ばして適度なところで半分に切ります。

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切り口にシーラーを当てるなどのひと手間をかけるとフチが毛羽立ちするのを軽減する効果も期待できます。
 
そして切り終わったマスクをもう1枚のマスクに添えて、ふちをシーラーで熱して接着します。
接着するのは左右と下部分のみ。上部分は接着せずポケット状にしましょう。
 

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はい、これで完成です。
上部のポケットから保冷剤を差し込んで使用します。

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うまくポケットを作れていれば、マスク本来の口全体を保護する機能を失うことなく保冷剤を仕込むことが出来ます。
一度作り方を覚えてしまえばいくらでも作れますので、保冷剤だけ再利用してマスク本体は気軽に使い捨てにできます。
マスクとしての機能を維持しつつ口元を冷やすことが出来る、かなりお手軽な仕上がりになったんじゃないでしょうか。
ちなみに分解したマスク1枚でマスク2枚分のポケットが作れます。

なお、今回使用した保冷剤は…実際に装着してみると15分ほどで冷たさは無くなってしまいました。
ですが常温の保冷材が入ってるだけでも暑苦しさが多少軽減されたように感じるので、悪くはないです。

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次善策として、小型のステンレス魔法瓶などに予備の保冷剤を入れて都度取り替える等の工夫をすれば、持ち歩く保冷材の分だけ快適さが持続するかと思います。

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よかったら是非お試しください。

除菌ブロッカーの使い方を考えてみる

今回も例によって某サイトに投稿した内容を再編集したものになります。

ほんの数か月前…マスクやアルコールが市場から完全に姿を消した頃、代わりに店頭に姿を見せたこいつ…見かけた方も多いんじゃないでしょうか。

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首から下げるタイプの「除菌ブロッカー」
衛生用品が軒並み枯渇する中、鳴り物入りで流通するも実体験としての実績がまったく見えないため眉唾ものとして忌避された方も相当数おられたようですね。
そう、こいつの欠点は「目に見えた効果を実感できないこと」
そのため様々な憶測が飛び交い、結果的にあまり普及せず店頭からも姿が見られなくなりました。
もちろん今はネット通販がありますので、まだまだ入手は容易ですけどね。
かくいう私自身、厄除けのお守り的な感覚で日々身に着けております。
そのおかげか、幸いにして罹患する事なく無事に日々を過ごしております。

…で、これの一風変わった使い方をご紹介。

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これはロッカーの天井を撮影したものです。
つまり、ロッカーやクローゼットの天井に貼り付ける、という使い方です。
他のサイトでの検証では、風のない空間でブロッカーの真下に置いた物には除菌効果があったそうです。
ならばクローゼットのような密閉空間の天井部に設置すれば、中に吊してある衣類は除菌されるだろうという考え方です。

もちろん、このやり方でも目に見えて効果が実感出来るわけではありません。
ですが、多少なりとも安心感が生まれるのは精神衛生上たいへん良いことだと思います。
ロッカーやクローゼットに防虫剤感覚で貼り付けるだけですし、特に手間もかかりません。
興味がおありでしたら、是非お試しください。

 

※ 追記

某サイトに投稿後、他の方からも意外な使い方が紹介されるなどして、大変感心させられました。
つられて私も別の応用法が浮かんだので追記しておきます。

クローゼットの応用で、トイレの天井に貼るという方法もアリかと思います。
ノロウイルスやインフルエンザの例もある通り、トイレの中というのは感染リスクが非常に高い場所のひとつです。
ご家庭の個室であれば天井に2個ほど貼り付けておけば、単純に感染リスクの軽減以外に衛生面でも効果が期待できるのではないでしょうか。
同じ理屈で、水回りの天井も有効な貼り付け場所になるかもしれません。
洗面台やシンク、洗濯機を設置してある場所の直上に貼ると日常の衛生レベルでの除菌にも役立つ可能性があります。
ご家庭の玄関の天井に貼っておけば、外部からのウイルス流入を妨げる一助になりそうですね。
また、靴の匂いは菌の繁殖が原因ですから、靴箱に設置すれば靴の消臭にも期待できるかもしれません。

小さなオフィスなどでは、要所要所に複数設置することで効果を期待できるのではないでしょうか。
換気扇の入り口やエアコンの吸い込み口を避けて上手に設置すれば、暑くなってきたこれからの季節、窓を開けずに除菌空間の確保が期待できます。
試してみる価値はあるのではないか?と、ネットで何個か買おうか検討中です。

電解水を自作する

今回も某サイトに投稿した文章を再編集したものになります。

消毒用アルコールはまだまだ十分な流通量が確保されていない状況ですので…

こちらも何かのお役に立てれば幸いです。

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前回はアルコール精製に関しての記事でしたが、今回はもうひとつ話題の強力な消毒薬について書いてみましょう。
テレビ等でも時折名前を見かけるようになった「電解水」について、です。

各メディアで様々な尾ひれ付きで紹介されていますが、余計なノイズを取り払うと残る情報は概ね2種類になります。
電解の定義やら原理やらはこの際棚に上げて、単純にまとめていきましょう。

ひとつは「アルカリ性電解水
これが一番簡単に代替品が用意できるものとして流布されていますね。
一度は耳にしたことがあるんじゃないかと思いますが、いわゆる「薄めた漂白剤」のことです。
これは漂白剤の主成分である「次亜塩素酸ナトリウム」がアルカリ性電解水の能力に近しい効果を発揮することに由来しています。
さんざん紹介されていますし、作るのも「漂白剤を薄めろ」だけなので無理に字数を費やす必要はないでしょう。
なお、この「薄めた漂白剤」を高値で売り付けたりする詐欺が横行していますのでご注意を。
あれって薬液1本あたりの原材料費1円未満ですからね?

もうひとつが今回の本命「酸性電解水」です。
薄めた漂白剤との違いなどを語り始めると長くなるので、要点だけまとめます。

      希釈漂白剤    酸性電解水

性質    アルカリ性    酸性

消毒能力  それなり     超強力

手荒れ   要注意      平気

日持ち   10日程度     1日前後(延命手段あり)

作成    薄めるだけ    電気分解

能力としては、日持ちしない以外は薄めた漂白剤より遥かに高性能です。
あとは作るためのハードルを乗り越えるだけ!

用意する物は以下の通り。

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材料は前回同様、ホームセンターと100均で揃えました。
マンガンの単3電池2本と9V電池、素焼きの小さな植木鉢とその植木鉢が入る大きさの容器、赤黒に色分けされた配線コードと9V電池用アダプター、あとはシリコン補修材。
加工の道具として100均で売ってるニッパーとカッターナイフがあればいいでしょう。
ご予算1000円以内で揃います。


※ 以下は、本来電気配線の加工に必須のハンダ付け等の手順を省いた簡易作成法です。
「誰でも家庭で簡単に」をコンセプトにしましたので、強度が足らないため乱暴に扱うと千切れますが、そこらへんはご容赦ください。

マンガン乾電池をニッパーで分解して中の棒を取り出す
 アルカリ電池には棒が入っていませんので、必ずマンガン電池をご用意ください。
 分解手順は以下の画像を参考に。 

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※「電池の分解は難易度が高い」という方は100均で「2mmシャーペン」という太いシャーペンの芯を買ってきて使っても大丈夫です。
 ただし、非常に折れやすいので取り扱いは慎重に…

・配線をニッパーで適度な長さに切ってカッターナイフで皮を剥き、同じく皮を剥いたアダプター側の線とより合わせて繋ぐ
 この際、赤い線は赤い線同士、黒い線は黒い線同士で繋いでください。

・赤黒両方の配線の先端の皮を剥き、それぞれ棒に巻き付けて固定

・金属線が露出してる箇所にシリコン補修材を塗って乾かせば完成
 これらも同じく以下の画像を参考に。 

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※ 余った補修材で植木鉢の底の穴も塞いでおきましょう

 


さて、ここからは精製手順です。原材料はご家庭にある食塩と水道水のみ!
最初は精製できてるかの確認用にドラッグストアーでリトマス試験紙でも買って用意しておくと安心です。

・まず容器の中に塩水を入れ、植木鉢を沈める
 この時、植木鉢が完全に沈み切らず1㎝ほど水面に出るぐらいに塩水の量を調整してください。 

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 水に溶かす塩は少量で。塩が濃すぎると逆に電気分解の妨げになるみたいですので…
 私は1Lの水に対して小さじ半分程度の塩を溶かして作っています。

・炭素棒を半分ほど水につける
 この時、黒い線のほうを植木鉢の中に、赤い線のほうを植木鉢の外に、それぞれ分けて浸けてください。
 浸けた状態でクリップなどを使って棒の位置を固定しておくと面倒がなくて良いと思います。 

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・アダプターに電池をセットして放置
 浸した炭素棒から細かい泡が出てくればちゃんと電気分解が始まっています。 

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 時間は…一度に作る量にもよりますが、だいたい1~2時間程度放置してください。

・1~2時間後、電池を外し炭素棒を抜く
 この際、リトマス試験紙を植木鉢の中の水に浸すと青になります。 

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 逆に植木鉢の外にある水に浸すと赤になるはずです。 

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 上記の通り色が変われば電気分解は成功です。

確認できたら、

・中の水が混ざらないようにそっと植木鉢を持ち上げ、中の水ごと鉢を取り出す
 ちなみに植木鉢の中の水は迂闊に触ると手が荒れますからご注意を。
 この水はまた別の使い道があるんですが…どうせいくらでも作れますから気にせず捨ててしまっても構いません。
 また、使用した9V電池は1回こっきりの使い捨てと考えて同じく廃棄してください。
 無理に使い回すと途中で電池切れになり十分な電気分解が出来ない恐れがあります。

炭素棒と植木鉢を取り出し、最後に容器の中に残った水が「酸性電解水」です。
黒い粉が浮いてるかもしれませんが、炭素棒から分離した炭の粉ですので無害です。
気になる方はコーヒーフィルター等を使って漉し取るといいでしょう。


出来立ての電解水は人体や作物への悪影響を気にする必要が無いくせに農薬として使用できるほど強力な殺菌能力を有しています。
インフルやノロ、コロナはもちろん、現在大陸山間部で感染拡大しているペスト菌にすら殺菌効果を発揮するそうです。
ただそんな強力な電解水も、そのままの状態では日持ちが悪く非効率。
そこで簡単な延命方法の一例もご紹介。

方法は簡単。
「保存容器を真っ黒にして中に光を通さない」ようにするのです。
最もお手軽なのは、100均で黒いビニールテープを買ってきてスプレーボトルに巻き付けて全体を覆ってしまう方法です。
こんな感じに。 

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容器を黒くすることで遮光密閉状態を作り上げ、能力の低下を遅らせ日持ちを伸ばすことが出来ます。
それでも日を追うごとに能力は落ちていきますが、しっかり時間をかけて精製した電解水なら5日から1週間は必要十分な消毒力を維持できると思います。
万全を期すなら3日程の周期で新しいものを作り直すといいでしょう。
元は塩水、費用も安価。毎日新鮮なものと入れ替えるのもアリだと思います。

 

…と、電気の極性だのハンダ付けだのという理屈や手法を可能な限り省き、文章通りにすれば小学生でも出来るように組み上げてみましたが、いかがでしょうか?
おそらく最大のハードルは電池から炭素棒を取り出す工程ぐらいかと思うのですが…
「誰でも家庭で安価に作れる」ものを目指して試行錯誤した結果ですので、漂うやっつけ感には目を瞑って頂けると幸いです。

アルコール蒸留より圧倒的に低コストで、電池と塩と水だけでいくらでも作れる電解水…よかったら試してみてください。

 

※ 追記 ※

精製過程で「捨てて構わない」と書いた「植木鉢の中の水」ですが、これが本物の「アルカリ性電解水」です。
こいつも酸性電解水と同じく強力な殺菌能力を有していますが…同じ水から出来てるのに、酸性電解水と違って非常に不安定で取り扱いが面倒くさいのです。

薄めた漂白剤と同じく手すりやドアノブ等の殺菌消毒に使えばノロなどの脅威を排除できますし、消臭効果もあるとされています。
皮脂や油汚れなどを強力に分解するのでキッチン周りのお掃除にも重宝するかもしれません。
ただ持続時間が酸性電解水よりも短く、しかも上で紹介したような遮光密閉環境を用意しても日持ちを良くすることが出来ません。
最大能力を発揮する時間は…濃度にもよりますが1~2時間だと思ったほうがいいです。
その後もいつ有効殺菌能力が失われるか読めないので、我々素人には扱い辛いものになっています。
また、酸性電解水とは違って素手で触ると指の油が分解されてビックリするほど手が荒れたりとか…とにかく面倒なのです。
そのあたりの難易度を一気に下げるお手軽さから「薄めた漂白剤」が持て囃されているという側面もあります。
ともあれ一度電気分解できる環境さえ整えば無尽蔵に作れますから、こちらも使い捨て感覚で利用してみるのもアリかもしれません。

なお現在私の手元では、今回省いた極性やらハンダやらといったアレやコレやを経た結果、以下のようなブツに進化しております。 

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コンセントから電気を取るので電池は不要となり、同じく電池では出せない電圧電力を使って短時間で電解水を量産できる物へと進化しております。
家庭で使う分にはここまでの物は必要ありませんので、やりすぎた感がありますね。